2010年11月11日

リラクセーショントレーニング(1)

過緊張・あがりの状態ではベストなパフォーマンスはできない。そこから適度な緊張状態を作り出すために緊張状態を緩和させることが必要である。スポーツの世界では特に大きな舞台になると自分自身や周りからのプレッシャーを感じたりして過緊張・あがりになることが数多く見受けられる。それを解消するためにリラクセーショントレーニングというものがあります。
その中で今回は自律訓練法という方法を紹介します。

自律訓練法
公式と呼ばれる自己暗示に、受動的に注意を集中することにより、精神的に安定した状態を得ようとする方法。
効果(1)蓄積された疲労の回復が得られる
  (2)イライラせずにおだやかになる
  (3)自己統御力が増し、衝動的行動が少なくなる
  (4)仕事や勉強の能率が上がるようになる
  (5)身体的な痛みや精神的な苦痛が緩和される
  (6)内省力がつき、自己向上性が増す
姿勢 仰臥姿勢、単純椅子姿勢、安楽椅子姿勢
行程 背景公式…「気持ちが落ち着いている」
   消去動作…手の開閉、腕の屈伸、全身の伸び
   重感練習…「(利き腕→非利き腕→両脚)が重たい」
        筋肉の緩んだダランとした感じ
   温感練習…「(利き腕→非利き腕→両脚)が温かい」
        血管が広がって血液の循環が良好になった状態

まず、目を閉じて背景公式を繰り返し唱えます。口に出してもいいですし、心の中で唱えても結構です。
次に重感練習に入っていきます。初めに利き腕に注意を向け、次に非利き腕、続いて両腕、両足、全体という流れで行っていきます。そこで例えば「右腕が重たい」と繰り返し唱えます。一通り終わったあとには必ず目を閉じたままの状態で消去動作を行い、ゆっくりと目を開けて下さい。消去動作を行わずにいきなり目を開けてしまうとめまいが起こり、ふらついて転倒してしまう危険性があります。
さらに温感練習を重感練習と同じように行っていきます。
注意点としては、意識的に「重くしよう」「温かくしよう」と思わないことです。ただ、その言葉を唱え、そこに意識を向けて下さい。あとは、消去動作を忘れないことです。まずは継続的に行うことが重要ですので、最初は夜寝る前に一通り行うことをお勧めします。
とは言っても、はじめは、専門家の指導の下、やり方を教わった方がいいと思います。スポーツメンタルトレーニング指導士の一覧を参考になさってください。

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posted by 杉山卓也 at 00:37| Comment(7) | TrackBack(0) | メンタルトレーニング講義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月20日

第三回メンタルトレーニング講義:目標設定





大分間が空いてしまいましたが、久々にメンタルトレーニング講義を再開したいと思います。本日のお題は目標設定。多くのスポーツメンタルトレーニングに関する書籍の中でも始めに取り上げられることが多い話題です。
 第二回メンタルトレーニング講義:メンタルトレーニングの目指す状態の3.意欲に大きく関連することで、どのようにモチベーション、動機付けを高めればいいかに関する答えの1つが目標設定にあると思います。それでは実際に目標設定を行う上でどういうことが重要なのか、どのような点に気をつけたら良いのかを考えてみましょう。次に挙げる五箇条が目標設定における大原則です。

短期的な目標であること
長期的な目標も視野に置きながら、それに繋がるなるべく身近な目標を立てるべきである
挑戦的な目標であること
すぐに達成できるような達成目標にせず成功か失敗か五分五分ぐらいのある程度難易度のある目標に設定すべきである
具体的な目標であること
抽象的な表現ではなく、時には数字などを用いた明確で具体的な目標にすべきである
現実的な目標であること
現実とあまりにもかけ離れた目標ではなく、できるだけ高い目標を掲げながらも実現の可能性がある目標にしなければならない
コントロール可能な目標であること
自分でどうにもならないような対象(相手や自然条件など)を目標にせずに自分で出来ることを目標にすべきである

それぞれの頭文字をとって[たちくけこ]と覚えていただければ・・・ちょっと強引!?
 これらは原則であって、こうしなければならないといったものではありません。例えば、タイムや自分の動きなどを目標にするよりも「相手に勝つ」という目標のほうが良い結果をもたらすことも多いと思います。その選手の性格的にはそういった目標設定のやり方のほうが合っていると思うのであれば、それで構わないと思います。しかしこの五原則は中々使えると思いますよ。何もこれはスポーツに限ったことではなく、ビジネスなどにも勿論当てはまると思います。みなさんにも一度自分の色々な目標を見つめ直していただければと思います。

松坂のキャンプ情報多すぎじゃ・・・banner_03.gif
posted by 杉山卓也 at 00:24| 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | メンタルトレーニング講義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月20日

第二回メンタルトレーニング講義:メンタルトレーニングの目指す状態

 ずいぶん間が空いてしまいましたが、今日は第二回のメンタルトレーニング講義を行いたいと思います。テーマはメンタルトレーニングの目指す状態・ゴールです。まずは最終的な目標がわからないとトレーニングの方向性も見えてきませんしね。
 選手にとって成績を残すことが最大のテーマであろうことは予測がつきますが、それは最終的な結果であって、その過程がより重要になってくると思います。そのスポーツをやっていること自体が楽しいとしたら、さらにそれに結果がついてくれば最高だと思いませんか?みなさんも特に子供の頃、友達と遊んだり、おもちゃで遊んだり、ままごとをしたり、砂場で遊んだりして、気付いたらもう空は暗くていつの間にこんなに時間が経ったんだと感じたことはありませんか?そのときは、その楽しい時間に没頭してとてつもない集中力を発揮していたんですね。そのような状態Flow(フロー)こそが私の研究テーマなのです。
 私は先のアテネオリンピックに出場した3選手も含まれたトップレベルの選手たちへのインタビューの結果、6つのあるべき競技前の状態を再発見いたしました。

1.リラックス
ここではリラックスとしているが、適度な緊張状態のこと。緊張しすぎてもリラックスしすぎてもいけない。
2.自信
自信を持っていること。練習やコンディションがよく反映されている。これも自信がなかったり、過信になってはいけない。
3.意欲
意欲があること。挑戦的な目標、明確な目標。舞台の大きさなども関係。ただ、これも意欲がなくても意気込みすぎていてもいけない。
4.集中
集中力があること。意図的な集中の高め方はあまり見られなかったが、自然にできているときに結果的にFlowになっている。
5.マイナス要因の欠如
不安や緊張など競技以外のことにエネルギーを使わなくてすむ状態。
6.肯定的な感情
例えば、目標にしていた試合に出れて嬉しい、楽しいといったポジティブな感情がいい影響を及ぼす。

 これら6つの状態がそろえば、Flowになる確率も高くなり、いいパフォーマンスができる確率も高まると思います。トップの選手のインタビューなどにもこのような事象の良い・悪い例が出てくると思われるので、みなさんも目や耳を傾けてみてください。
では、またそれぞれの詳しい内容はおいおいということで…。
どうでしたか?banner_03.gif
posted by 杉山卓也 at 22:46| Comment(7) | TrackBack(0) | メンタルトレーニング講義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月14日

第一回メンタルトレーニング講義:スポーツにおける心理面の重要性

 本日から新シリーズ、メンタルトレーニング(以下MT)講義を始めたいと思います。と言っても前のblog記事をまず少し修正しながら移すことからやっていきます。メンタルトレーニングという言葉が適切かどうかわかりませんが、みなさんにも一番馴染みのある言葉だと思いますので、ここではメンタルトレーニングという言葉を使わせていただきます。内容についてはもう少し範囲を広げてやっていけたらと思っています。また書籍なども紹介していきたいと思います。
 今回の第一回のテーマはスポーツにおける心理面の重要性です。みなさんもご存知のように“心技体”という言葉がよく使われますし、選手や監督のインタビューなんかを聞いていても精神面の重要度についてのコメントが多く見られます。しかし技術的なトレーナー(コーチ)、フィジカルトレーナーに比べてメンタルトレーナーがあまり市民権を得てるとは思えません。まずみなさんにこのblogを通して、こういう仕事があるという認知度を高めていく手助けになればと思います。
 一番身近で一般的な例として、みなさんも試合等で実力を発揮できなかった選手を目にしてきたことがあると思います。あるいはご自身にも経験があるかもしれません。その他にも、選手同士あるいは指導者と選手のコミュニケーション、マスコミへの対応、練習への取り組み方、戦術・戦略、団体競技であれば選手の配置などにも心理面が関わってきます。競技を行う選手が人間である以上、技術や体力トレーニングを行っていても心理面は関わってくるのです。そのために”選手の潜在的な能力を引き出し、実際の競技場面でそのとき持っている能力を100%発揮させる”ことを目的とするMTが助けの一部になるのです。
 私は自己紹介の欄にも書いていますが、日本スポーツ心理学会認定スポーツメンタルトレーニング指導士補の資格を持っています。その際に教科書として使われている本は「スポーツメンタルトレーニング教本」で、教科書的に使うのには良い本じゃないでしょうか。これからメンタルトレーニングについて学びたい人にお勧めです。
 では、また次回に。
応援よろしくお願いしますbanner_03.gif
posted by 杉山卓也 at 17:13| Comment(2) | TrackBack(0) | メンタルトレーニング講義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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